数学部だより

2016.08.29

  • クラブ活動

 7、8月の中学数学同好会、高校数学部の活動についてご報告します。

1.米国フロリダ州より数学メダリストが当部を訪問  

 まず、7月上旬には、本学へ米国フロリダ州より短期留学していた同州の数学メダリストであるマイヤース君が数学部を訪問。主に,IMO(国際数学オリンピック)出場対策のセミナーを開催してくれました。教材には、本校生にはまだなじみのないdeterminantの計算法や、合成関数などがあり、部員は大変に勉強になりました。
 帰国後、このセミナーで日米の数学教育の違いが垣間見れたこと、自身の勉強になったこと、そしてなにより数学部への参加が留学中のよい思い出になったとの報告をもらいました。同君には、今後も折に触れて当部の活動に参加してくれることになりました。
 マイヤース君、今後ともどうぞよろしくお付き合いください。

 マイヤース君

2.海城&YSFH(横浜サイエンスフロンティア)定期数学交流会開催  

 本会は7月22日のこの日、実に第14回目を迎えました。
 開始時、YSFHより、「今日は実にこの会を開催するのにふさわしい日ですね」とのご挨拶がありました。さすがは数学愛好者達、察し良く「そうか!22/7は円周率の近似値のひとつだ!」との声多数。大いに気勢が上がりました。
 この日は本会の準レギュラー校である広尾学園をはじめ、初参加となる横浜市立南高校の皆さんをお迎えして、大変な盛会となりました。
 とりわけ、YSFHにおいては、今回の交流会が8月のマス・フェスタへの予備審査を兼ねていたそうで、本学の生徒たちはその熱心な研究態度に感じ入っていました。
 
2016・7海城YSFH
 
3.ダシバット先生数学部をご訪問   

 さきの本欄の記事にありますように、先週、新モンゴル高校ダシバット数学科長が本学を訪問され、その折に部員と約1時間半に渡って意見交換を行いました。折しも、この日の午前中に、彼らが懸案としていた不連続関数に関するある問題が解決。早速、ダシバット先生に報告し、先生からの称賛に浴しました。
 同先生からは第一回松岡文太郎賞(海城数学賞)特別賞受賞者にして、両校間のスカイプでの交流に尽力してくれた新モンゴル学園のミシェール君が、先日、タイで行われた第56回IMOにおいてモンゴル国代表として出場。見事、銅メダルに輝いたことが披露され、「われらが仲間」への拍手に包まれました。
 なお、モンゴルの学校の新年度が開始される9月より、生徒間同士での研究プロジェクトが発足し、年4~5回のスカイプでの成果報告会の実施が決定しました。

 ダシバット先生と数学部

4.日本フィボナッチ協会研究集会で講演   

 昨年、第一回松岡文太郎賞の受賞者でもある現高1の宮下敦紀君が講演したことに続いて、今年も当部から同会での講演者を輩出しました。
 今回で14回目となる同集会は、8月26日東京理大で行われました。
 講演者は中2の山田宗太朗君で、Euler関数に関するオリジナルの結果を発表しました。
 部員たちは、同会の代表で、不等式の世界的権威である宇都宮大学名誉教授の大関清太先生をはじめ、多くの方々から激励を頂戴しました。
 参加者の皆様、ありがとうございました。

大関先生と数学部

5.第8回マス・フェスタ参加  

 国内最大規模の高校生の数学の祭典である第8回「マス・フェスタ」(大阪府立大手前高校主催)が8月27日に京都大学で行われました。
 この催しは本学が対象とはなっていないSSH校を中心としたものですが、大手前高校様のご厚意で、第5回より連続4回目の参加となります。今年は中学数学同好会の3人が参加しました。
 生徒たちは、全国の意欲ある数学愛好者たちの熱気に触れ、とても刺激を受けたとのことです。
 殊に、清心女子高等学校(倉敷市)の発表「2次方程式・3次方程式の解の個数の割合」では、両校の生徒ならびに顧問同士で大いに談論風発しました。
 今秋には、同校主催の「集まれ!理系女子 第8回女子生徒による科学研究発表交流会」が学習院大学で開催(10月29日)されるとのこと。再会を約しました。 (数学部顧問)

山田君マスフェスタ